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後ろ向きの姿勢のお母さんから叱られるみーちゃん

今日のみーちゃんはあせっています。


みーちゃんは、今朝、おかあさんから6時までに帰ってきなさいと言われています。なのに、ゆーちゃんと遊んでいるのがとても楽しかったものですから、すっかり忘れてしまいます。


みーちゃんは全速力で走っています。これだけ一生けんめい走っていたら、運動会の徒競走でいつもビリにはならないなあとちょっと後悔しましたが、今はそんなことを考えている場合ではありません。


何時かはわかりませんけれども、6時をすぎているに決まっています。だって、よしのぶくんちの前を通ったら、サンマの焼ける匂いがしたし、及川さんのところの街灯がついています。


──おかあさんm怒ってるだろうな。


走っている間中、みーちゃんはおかあさんの怒った顔が浮かんできて、どんなにしかられるかと思うと、こわくてこわくてもう縮みあがっています。


──どうしよう、どうしよう、どうしよう!


家にたどり着くと、呼吸を整える間もなく、みーちゃんはそーっと玄関のドアを引きます。すると、ドアが完全に開く前におかあさんの落ちついた声がします。


「おかえりなさい」。

「ただいま」。


みーちゃんはおそるおそる中に入り、こわごわ顔を上げます。


でも、あるはずの顔がないのです。


──あれ?のっぺらぼうだ。顔がないや。なんで?


おかあさんは玄関に背中を向けて正座して、明かりもつけず、待っているのです。


「今、何時だと思ってるの!


突然、おかあさんが大きな声をあげます。でも、いつもと違う感じがします。


真っ暗な中、黒いのっぺらぼうの後から声が響きながら、みーちゃんの耳に届いてきます。まるでお化け屋敷にいるようです。


「ご、ごめんなさーい」。


こんなにこわい思いをしたのは初めてです。


どうか普通にしかってと心の中でおかあさんにお願いするみーちゃんなのです。


by meist | 2018-09-27 12:40

昭和の小学4年生の毎日


by meist