京都のお寺に修行の体験合宿に来たみーちゃん
2018年 09月 29日
今日のみーちゃんは京都に来ています。
みーちゃんのうちは洞泉寺(どうせんじ)の檀家です。ここは臨済宗妙心寺派のお寺です。毎年、檀家の子どもたちが交代で、京都にある総本山の妙心寺に修行の体験合宿に行くことになっています。スケジュールは二泊三日で、地区の大人が引率します。今年はみーちゃんが初めて参加します。
リュクを背負って、しのぶさんやつよしさん、れいこちゃん、たかしくん、しんぺいいちゃん、やすこちゃんとか近所の子たちと一緒です。引率は新田さんです。
──京都か~、どんなところかなー。一休さんのお寺も見れるのかなー。
みーちゃんは京都を訪れるのは初めてです。みーちゃんは箱根の山より西に行ったこともないのです。もちろん、東海道新幹線に乗るのも初めてです。
みーちゃんは新幹線の窓から富士山を初めて見ます。
──わー、富士山だ!すごーい!テレビで見るのと同じだー!
京都に着いたら、妙心寺に直行です。
──あれ、なんか、暗いな~。
みーちゃんは、伝統のある総本山を見ても、「すごい!」とか「大きい!」とか感動しません。
一行は若いお坊さんに広い花園会館に案内されます。日本中からやってきた子どもが大勢います。
お寺は時間が早いので、着いてすぐに夕食です。本堂に一人一人のお膳が用意されています。そこにはご飯とつけ物、野菜の煮物、おつゆがあるだけです。
──これだけ?野菜だけ??おまけに、色も地味だなー。これが質素というもの?
みーちゃんはお腹がすいていたはずなのに、食欲が失せていきます。
立派な袈裟を着たおじいちゃんのお坊さんが本堂に現われ、本尊の前であいさつをして、食事について話し始めます。
「みなさん、お米はお百姓さんが一粒一粒心をこめて育てたものです。ですから、大切にいただきましょう。食べ終わったら、たくわんでお茶碗についているお米をていねいにこすりとってください。その後には、お茶碗にお茶を注いで飲んでください。そうすれば、きれいに食べられます」。
──えー?たくわんでお茶碗の米粒をとって食べるの?貧乏くさーい!せっかく京都に来たのに、こんなことをするの?楽しくなーい!
京都は向いていないなと思うみーちゃんなのです。